- ケーススタディ
多様化する注文方法に対応した通販会社でのFAXシステムの導入事例
市場規模の拡大を続ける通信販売において、購買チャネルはインターネットを使ったオンラインが主流となっています。
しかしインターネット通販が主流になる以前から、電話やFAXを使いオフラインで通販を利用してきた高齢者などは、現在もFAX注文を利用する方が多く存在します。
データ化や効率化を図りたい企業にとっては、紙を使い、手作業でしか管理できないFAXは足かせになることもあります。
受注チャネルが多様化する中で、FAX通信を効率化するためにはどうしたらいいのでしょうか。
高齢の顧客が多い健康食品通販会社のFAXシステム導入事例をご紹介します。
注文方法の多様化と企業の管理
コロナ禍でインターネット通販が伸びている中、オフライン通販の新規獲得効率の上昇と高齢者における健康長寿に対する関心の高まりがあります。
インターネットを利用したECサイトやネットスーパーの注文方法は主にネット注文ですが、その他の注文方法は電話やFAXなど今でもオフラインが主流となっています。
特に高齢者はFAX注文の割合が高く、テレビやカタログなどオフラインで販促を行う企業はFAX注文も受け続けています。
しかしそれにより、通信販売を行う企業はオンラインの注文方法を拡充すると同時に、FAX注文など以前からの注文方法も残しておかなければいけない状況が続いています。
消費者にとっては注文方法が増えて便利な反面、企業側は管理体制の整備が課題となっています。
FAX注文の課題
今回ご紹介する健康食品通販会社は、FAXで購入を続けるロングユーザーも多く、オンライン注文が加わることで受注チャネルを拡大してきました。
しかし時代とともに受注管理のデータ化を進める中で、FAXだけは紙管理のまま従業員の負担となっていました。
FAXは、受注確認の返信や白紙を受信したときの対応、顧客の購買履歴の確認など、一連の流れを手作業で行うため業務が煩雑になります。
また、送信するFAXをMicrosoftOffice製品のファイルで管理しており、手間が増えている状況でした。
さらには、従業員が休みの土日の受注処理をアウトソースにしたいと考えていましたが、委託する方法がなく課題となっていました。
導入したシステム
これらの課題を解決するために導入したのが、FAXシステムです。
FAXシステムを使えば、PC操作でFAXの送受信が可能になります。
FAX本文はもちろん、送受信履歴も確認できるので、氏名やFAX番号で絞り込んだ顧客検索が可能になります。
また白紙が届いたときは、自動返信で白紙が届いたことを確認するFAXを送ることができます。
煩雑になっていた受注確認のFAX返信も、自動変換機能をつけることで、MicrosoftOffice製品のファイルからボタン一つでFAXテンプレートに本文を変換し送信できるようになりました。
4つの導入成果まとめ
成果1.ペーパーレス化
紙作業でしていたことをすべてPCでできるようにシステム化したので、紙が不要になりました。
成果2.白紙対応の自動化
白紙で届いた受注FAXは、確認不要の自動返信にすることで従業員の負担が軽減されました。
成果3.管理ファイルとFAXを連携
MicrosoftofficeのファイルをFAXテンプレートに自動変換する機能をつけました。
FAX送信の画面を開いたり入力する手間がなくなり、Microsoftofficeのファイルを作成したらボタン一つでFAXを送信できるようになりました。
成果4.アウトソースを実現
PCでシステムにログインできれば、どこでもFAXの受信確認や発信作業ができるようになったので、アウトソースが可能になりました。
導入後は、土日の業務をアウトソースしています。
オフラインとの共存
FAXの受注処理をシステム化することで、FAX機まで確認に行く必要がなくなり、手作業で紙を管理する手間も削減されました。
またPCでFAXシステムにログインすればどこでも使うことが可能になったので、ログイン情報を共有すればアウトソースすることもできるようになりました。
市場規模の拡大を続ける通信販売、なかでも健康志向の高齢者が増える健康食品市場において、FAXユーザーに注文方法の変更を促すことは難しい現実があります。
今回ご紹介したのは、FAXシステムを使うことで、FAXユーザーの利便性を損なうことなく企業の業務効率化を実現することができた事例でした。
メディアシステムの次の目標
弊社は今後、OCR(光学的文字認識)の導入を進める予定です。
例えば、FAX用紙をスキャンすることで、記載してあるテンプレートを種類ごとに識別してデータの保存先を選別し、そのFAX用紙に書いてある文字(手書き文字含む)をテキスト化することで、紙で蓄積されていた情報をシステム内に移行することが可能になります。
これにより、過去の文書をデータ化するスピードが上がり、紙管理からシステム導入へのプロセスをスムーズにすることができます。
また、RPA(ロボティックプロセスオートメーション)についても導入を進める予定です。
従来は人の作業でしていたことを、システムが自動で行う技術です。
例えば、利用中の基幹システムから新しく導入したシステムへのデータ入力など、従来は一つひとつ手作業でコピーペーストしていた作業を、自動化することができます。
上記のように、OCRとRPAがあれば、システム導入の障壁となるデータ化やデータ入力の課題が解決されます。
また近年課題となっており、将来が不安視される人材不足についても解決が見込まれます。
導入にあたっては、業務プロセスの整備や管理体制づくりなど留意する点がありますが、これら2つは短期間で導入効果が出やすいソリューションでもあります。
今後も課題解決に向け、提供ソリューションの拡大を進めて参ります。
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